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肩の痛みについて~インピンジメントを理解するための機能解剖(肩甲上腕関節の滑り運動と転がり運動とは??)~

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どうも、変態エセトレーニー&腋毛濃い系ブロガーのTOKAMIXです。

 

これまでの記事では、「肩のインピンジメント」という現象をザックリと解説すると同時に、「肩甲骨」と「上腕骨」の構造を見て行きました。

 

 今回の記事では、「肩甲骨」と「上腕骨」で構成される関節、つまり「肩甲上腕関節」の正常な動きと、その異常から生じる「肩のインピンジメント」とはどんなものかを解説していきたいと思います。

 

まず、基本的に関節は「凸型の骨」と「凹型の骨」が合わさって出来ており、「凹型の骨」の表面を「凸型の骨」が転がったり滑ったりして動いています。

 

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「肩甲上腕関節」でいうと、「肩甲骨」にある「関節窩(かんせつか)」という部分が「凹型」にあたり、この「関節窩」の表面を「上腕骨」の「上腕骨頭」が動いています。

 

この「肩甲上腕関節」の動きを、「腕を真横に上げる」つまりは「脇を広げる」運動で解説すると、最初に「上腕骨頭」は「関節窩」の表面で転がって動きます。

 

そして、「上腕骨頭」がある程度のところまで転がると、今度は下にズレる、または滑るように動きます。

 

前者で解説した「上腕骨頭の転がる運動」が「関節の転がり運動」と呼ばれ、後者で解説した「上腕骨頭の滑る運動」が「関節の滑り運動」と呼ばれるものになります。

 

「上腕骨頭」が「転がり運動」を行うと、運動の終盤において「肩甲骨」にある「烏口肩峰アーチ」と「上腕骨頭」にある「大結節」との距離が非常に近くなってしまいます。

 

しかし、それらの部位の距離が近くなったところで、「上腕骨頭」が「下方にズレる」ことで、「烏口肩峰アーチ」~「大結節」間の距離が過度に短くならずに済みます。

 

正常な「肩甲上腕関節」では、「上腕骨頭」の「転がり運動」後に下方への「滑り運動」が起こることで「肩のインピンジメント」が防止されているのですね。

 

 逆に、「上腕骨頭」が「転がり運動」しか行わず、下方への「滑り運動」が行われなければ、「烏口肩峰アーチ」~「大結節」間の距離が短くなり、この間にある「筋肉」や「腱」が板挟みの状態に陥ります。

 

「肩のインピンジメント」は、「上腕骨頭」の「滑り運動」が欠如することで起こるという訳です。

 

では、「滑り運動」を阻害する原因にはどのような原因があるか・・・、という話は次回の記事でまとめていきたいと思います。